その1.犬と話をする
犬と話をしますか?
犬は、お互いに人間でいうところの「第六感」で話をするようです。確かに、吠えたり、言葉のように聞こえる声を出すこともありますが、どうやら、それらは、付属品であって、実際には、いわゆる「テレパシー」で話をしているようです。
犬たちが話し合っているのを見ていると面白いです。
お互いに向き合っていることもあれば、違う方向を向いていることもあります。
でも、確実に、コミュニケーションを取っています。
「眼と眼で通じ合う」といった合図のレベルを超えた、「言葉ではない言葉」で話をしています。
例えば、ある人々は、犬に人間の言葉(単語)を覚えさせて、それに反応させることでコミュニケーションを取ろうとします。しかし、犬と一緒に暮らしていると、もっと、犬と人間もコミュニケーションを取ることができるし、犬どうしも、もっと高度なコミュニケーションを取っていることが分かります。
私たちが犬に話しかけるとき、「犬にこの考え、思いを伝えよう」という気持で、犬に向かって話をすると、犬は、こちらの意図を読み取ります。ときには、こちらが犬には知らせるつもりがないのに、勝手に、こちらの意図を読み取って先まわりします。犬たちは、もちろん人間ほどの高度な思考や思索は行うことができませんが、かなり、高度なコミュニケーションを取っているようです。しかし、犬の世界は、人間のそれよりも単純なので、犬たちが考えていることを、こちらも読み取ろうとすると、結構面白いものだと思います。
英国放送BBCが、ある番組で実験を行ったようです。犬の飼い主が犬を置いて20Km離れた街に出かけます。カメラは、リアルタイムで飼い主の行動と犬の行動を捉えています。飼い主は、わざと、買い物をしたり、カフェに入ってコーヒーを飲んだ入りして、その日の予定をこなします。さて、いろいろな予定をこなした後で、飼い主が「さあ、家に帰ろう」と意図します。すると、なんと、犬は、その瞬間に反応を示します。それまで、寝そべったりしていた犬は、突然、窓際に行き、そわそわし始めます。飼い主が帰ってくるのを楽しみに待ち始めまるのです。
我が家でも、犬たちは、家の人が帰宅する30分くらい前に、それを察知します。
その時、犬が首をあげ、顔が「レーダーのよう」(?)になって、音でもなく、匂いでもなく、それらを超えた方法で、何かを察知し、感じ取ろうとする様子です。
家の人は、新幹線で到着するというのに、それを察知することができるようです。
また、犬は、笑います。これを言うと、冗談だと思って笑う人がいますが、犬と一緒いくらしていると、表情がどれだけ豊かで、どれだけ、喜怒哀楽に溢れていて、場面によっては、狩人のような(サメのような?)目になったりすることか、分かります。
では、他の動物たちはどうなのでしょうか?
動物たちは、人間のような言語によるコミュニケーションを持っていませんが、いわゆる日本の「以心伝心」のように、テレパシーでお互いにコミュニケーションを取るようです。
面白いですね。こちらが何かの「意図」を持つと、それを読み取るのです。
変な不思議な世界の話でしょうか?
いえ、そんなことはありません。そして、本来、特別なことでもないはずです。
本来、人間も持っていたものではないでしょうか。
動物と一緒に暮していれば、それを感じます。
「気持ちが通じ合う」といいますものね。
その2.犬の世界
犬と人間の世界は、やはり、違うようです。
一緒に、近くで暮らしていると、やはり違います。彼らの頭の中には、「犬の群れ」といった絵柄があるようで、私たち人間のことも、その群れのメンバーとして捉えているきらいがあります。しかし、それでいて、人間と犬(自分たち)は違う生物(存在)なのだと認識しているようです。
犬の群れには、ボスがいて、それに従う犬たちがいます。我が家の犬たちは柴犬ですが、猟犬のなごりなのか、その点、かなりハッキリとしています。
「侵入者!」、「追跡!」、「駆逐!」、「獲物!」、「寝る」、「食べる」、「ここは私の場所」、「おまえは控えていなさい、私のほうが偉いのです」、「散歩だ、外に行こう!」、などなど。
犬の世界は、人間のそれよりも単純なようですが、高度な複雑さもあり、面白いと思います。
犬は群れの生物なので、上下関係は絶対のようです。そして、人間よりも、生死切迫さが、もっと、現実的というか、「侵入者!」、「追跡!」、「駆逐!」、「獲物!」、などという場面になると、真剣そのもので、少し、本能によるせいか、どことなく、楽しそうにも見えるときがあります。でも、とても真剣で、侵入者や獲物は、仕留めるわけです。(人間だったら、「もっと平和的に行こう」とか、「今はそういう時代ではない」とか、考えるかもしれませんが。)
これについては、犬一匹いっぴきの種類や血筋、性格などによって違いがあるかもしれませんが。
また、同じ種類の犬でも、一匹いっぴき、性格が違うというのは面白いことだと思います。
ある犬は、ボスの性格で、気合でその場を占めるというか、他の犬たちを従えてしまうし、相手をすくませてしまうことができます。それでいて、賢くてやさしいところがあったり。また、ある犬は、やさしくて、思いやりがあり、ある犬は、少し臆病というか気が小さいようです。頑固なのもいれば、従順なのもいるようです。
犬たちが、このようにコミュニケーションを取り、感情も豊かで、思いやりがあり、家の人を家族(群れの)と思うことを知ると、犬たちが単なる「獣というか、ただの野蛮な生物」ではないことが分かります。
では、他の動物たちはどうでしょうか?
きっと、動物の種類によって、思考やコミュニケーションの複雑さや度合いが異なるとは思いますが、それぞれ、「生きている!」ということではないでしょうか。
では、動物も人間も境目がないのではないかって?
そうれはどうでしょうか???
私は、やはり、決定的に人間と動物は違うところがあると思います。
でも、それは、「地球上に一緒に生きている」ということの妨げにはならないでしょう。
かえって、ある意味、人間は、動物とは違って、責任があるというか、、、自然を壊さないで、大切に生きていきたいですね。
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